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執筆者の写真Laura Yokozawa 横沢ローラ

渋谷のいち住民として、渋谷から発信する曲作ってみようって思った。

本当は今年のハロウィンに、フェスをやりたいなと思っていた。

渋谷を拠点にして2年半。家からもっとも近いカフェ、「Åre」で年間を通じてライブシリーズをしてきて、そのシリーズの集大成として、無料の音楽フェス。


去年11月頃に、キャストを拠点としているコミュニティ「Cift」のメンバーに、こんなことをやりたい、って相談をして、3月前までには企画内容も固まって。

プレゼンして、広場を使ってやりましょう、ってなっていた。


スクランブル交差点やセンター街と比べると、そこまで人が多く集まるわけではないこっちのエリア。ゾンビ系じゃなく「妖怪」とか日本のもののけを主軸に置いて、 でもくる人はどんな仮装してもよくって...、(わくわく..)

ミュージシャンは、私も参加している「元・少年少女合唱団」のメンバーにも声をかけて、渋谷の合唱団や近くの学校に通う学生たちもさそって、みんなで一緒に歌う、集うことに主旨を置いて、、、(わくわく..)

老若男女、動植物、生きとし生けるものたちと、ハロウィンやお盆のようにご先祖様や死者、神様、妖怪、もののけ、なんでもカモン!な、フェス!! (ワクワク!)


具体的には夕方からの音楽ステージと、昼間の時間体にはステージ自体も子供達や集まってくれる人でワークショップ的につくっていって...、(ワクワクワク!!)


でもコロナ禍、全てのイベントはオンラインじゃないと実施が困難かもしれない...という空気感もあって、企画は再提案の必要が出てきた。 というかどう考えてもリアルなフェスは実施できないなと思った。


時期は4月。緊急事態宣言で、あんなに賑わっていた渋谷の街は、がらーんとしていた。

キャストの広場にいつもいた、お弁当屋さんトラックも居なくて、郵便ポストに行ってもコンビニの前にはいつものように若者が集まったりしていない。


私のここ数年は、ギター一本もっていろんな地域にライブをしに行けるようになっていた。

年間150本ぐらい。東京生まれ、東京育ちの私に「いつでもおかえりっていって迎えるよ!」と言ってくれる人が全国に増えて、愛しくて、いろんな場所で聞いたお話を元に曲を作ったりしていた。


しかし全ライブも仕事もなくなって、旅には出られなくなった。 ずーっと渋谷にいる。もはやずううーーーっと、部屋にいた。


ユニットの相方、ピアノの工藤拓人と2人で配信ライブでもするか!と機材をととのえ、部屋のビジュアルも整えたけど、もはや2人で集まるのも、なんだか...いけない気がして会えなくなった。

収入はいとも簡単にゼロになり、いろんな友達が「こんな給付金があるよ」って教えてくれたのでそれを調べたり書類提出に行ったり、区役所に行く機会が増えた。

私の住民票は中野区に置きっぱなしだったが、区役所に電車にのって行くこともはばかれたのもあって、渋谷区に住民票を移した。 渋谷区役所に行く途中に、TOKYU HANDSに寄りたかったけれど営業していなかった。 もう、ゾンビ映画みたいに渋谷の街がシャットダウンしていた。


そっか。会社もいまリモートだから、この街は、

「人が住む街じゃない、住んでない」なんて言われるこの街はいま、ほとんど住民だけなのかなぁ?


と思った。家にいるから見えないけれど。

今年のハロウィンは、いつもみたいに渋谷の街にみんな来れないのかな、

クリスマスイルミネーションはやるのかな、

でもやったら人が集まっちゃうな...

カウントダウンはやるのかな。

ぜーんぶ自粛かなぁ。



そんなことをもやもや考えてるうちに、ふと思いついた。


今年はみんなおうちに居て、渋谷に来られない。


いつも来てくれてたみんなが、渋谷とつながっていられるように、

渋谷から、みんなのお家に、なんか届けられないかな。


すぐ、妄想の生き物を作っちゃう私のなかでは、「渋谷さん」みたいな人格というかキャラクターみたいなのがむくむく生まれて、


サンタクロースみたいな「渋谷さん」がそりにのってせっせとみんなのお宅を

訪れているような絵がでてきた。


渋谷さん:「いつも来てくれてありがとねー、今年は会えないからお手紙かいてもってきましたぁー

また遊びにきてねー」



あぁ、じゃあ私は、「渋谷さん」がプレゼントするものを作ればどうだろう、

そういえばあんなにあっちこっちの曲作っていながら、渋谷の曲は作っていなかったな。


曲は「はい」って手渡しできないし、クリスマスカードはどうかなぁ、

カードなら郵送で届けられる。


みんなの、ひとりのおうち時間、家族の小さなホームパーティーや、隣人との集まりのBGMになるような、クリスマスソングをお届けするのはどうだろう。


これは、いち住民としての取り組みだから、お仕事みたいにお金をもらうんじゃなく、

ボランティアとしてやるほうが心地いいかも。うんそうかも。


そんな風にして、私の「渋谷発のクリスマスソングプレゼント企画」がちんまりと動き出した。


つづく。


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